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EVM - プロジェクトのパフォーマンスをリアルタイムに可視化する管理手法

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こんにちは、編集部のジェシカです。

EVMというプロジェクト管理手法は、プロジェクトマネジメントに携わる人なら聞いたことくらいはありますよね?

...実は私、聞いたことありませんでした。

...上司に「え、、、ジェシカ、EVMの概念も知らないの・・・。」

と言われました。

そんなわけで今日は、EVMについて調べてみたのでまとめてみました。


EVMは、Earned Value Management(アーンド・バリュー・マネジメント)の略で、「コスト」「スケジュール」 「品質等のパフォーマンス」に焦点を当ててプロジェクトのパフォーマンスを視覚的に管理する手法です。

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EVMの歴史

EVMは1960年代に米国国防総省の調達規則の一部として制定されたものが元となり、1990年代にクリントン大統領政権下で国家的プロジェクトのパフォーマンス改善のために改良されて発展してきました。 

国内でも、大手SIerが大規模プロジェクトでEVMによる進捗管理を必須にするポリシーを制定した事例があります。

 

EVMは非常に優れた管理手法なのですが管理コストが高く、大規模なプロジェクトでないと管理コストが効果を 上回ってしまうため、1億円以上のプロジェクトが一般的な目安です。

でも、「1億円以上」を見て「オレには関係ない」と思わないでください!

厳密にEVMを適用するとコストがかかりすぎますが、考え方を知って小規模なプロジェクトに活かすことはできます。

 

EVMを理解するために知っておくべき4つの用語

EVMを理解するためには、まず以下の4つの用語を理解しましょう。

 

・BAC(Budget At Completion):完了時総予算

プロジェクトが完了するまでに必要となる当初予算。

 

・PV(Planned Value):出来高計画値

成果物を期限内に達成するために必要なコストの時系列の計画値。

 

・EV(Earned Value):出来高実績値

一般的には出来高と言われ、作業により完了した一定時点の実際の価値。

 

・AC(Actual Cost):出来高実績コスト

作業で実際にかかった一定時点のコスト。計画どおりに進んでいれば、PVと同じ数値になります。

 

EVMでは、これらの数値をグラフにして、計画と実績値の差を視覚的に表現します。

そして、計画値と実績値の乖離が許容範囲を越えたらすぐに手を打つことで、「発覚したときにはもうリカバリできない状態になっていた」という最悪の事態を防ぐことができるのです。 

一般的なWBSはスケジュールに焦点をあてた管理ですが、EVMは「コスト」「スケジュール」「品質等のパフォーマンス」の3つの観点で総合的にプロジェクトを管理できます。

 

EVMを勉強しながら、実際にやってみた方のスライドがとてもわかりやすかったのでご紹介します。

 

www.slideshare.net

 

計画と実績の乖離をリアルタイムで把握するのがポイント

EVMを実際のプロジェクトに適用するハードルは高そうですが、参考にできるところはあります。 

開発が遅れてスケジュールが伸びそうになったときに、なんとか間に合わせるために「自分が無理をすればいけ る」と誰かが長時間残業をしていませんか?

そのようになるのはたいてい、問題に気づくのが遅いことが原因です。

 

EVMの考え方を応用して、今の時点で何がどこまでできていればよいかきちんと把握しておけば、そのような 事態を予防できます。

そのためには、より細かい粒度でWBSを作成して工数見積もりを行い、デイリーで進捗をウォッチするとよいでしょう。

 

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