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Web業界で戦うプロジェクトマネージャーやディレクターのためのノウハウ

炎上プロジェクトは害悪なのか?受託Web業界で10年以上戦ってきた4人によるぶっちゃけ本音トーク座談会

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先日公開したこの記事がだいぶバズりまして盛大な反響がありました。

 

ディレクション誰やるの?ディレクション責任が不明確なプロジェクトが200%炎上する理由と対策

 

共感の声を多数いただき、みなさん炎上案件を経験していて、解決策を探しているんだと改めて感じました。

これはもっと語り合うしかない!と思い、主に受託系のWeb業界で活躍する仲間に声をかけ、「炎上プロジェクトをなくせ!」というテーマで座談会を開催しました。

一部、実際の会社名、案件名を伏せるなど編集を加えていますが、ほぼそのまま公開します。

座談会は、各自が自宅でビールを飲みながら、チャットワークで語り合うといういかにもWeb業界らしい形式で行いました。

めちゃ楽しかった!

 

目次

 

まずは参加者プロフィール

No1. きんぴら系プロデューサー!!!!

甘いけど辛い、辛いけど甘い・・・人に優しく、仕事に厳しいプロフェッショナル、ちょっと真面目すぎるのが欠点・・・ジャパニーズソウルを受け継いだきんぴら系プロデューサー。年商数億円のWeb系開発会社を経営。

 

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No2. 要件おもらし幼女系ディレクター!!!

開発会社、ウェブサービス運営会社を経て現在はフリーのディレクターとして活躍。幼女のころはよくおもらししてたらしい。(TωT)ジョボジョボー 今はきっとだいじょう・・・ぶ。

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No.3 胸熱系デザイナー!!!

元ボクサー。胸板が厚い。 デザイナーとして若くしてフリーランスの道を歩み始め、現在10年目。

 

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No.3 ブラック系フロントエンジニア!!!

見た目はブラック、心はホワイト。 少数精鋭のエンジニア会社を経営。自身もバリバリコードを書くフロントエンジニア。

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No.4 酔拳系プロマネ!!!

そしてファシリテーターは私、coach4pm中の人、アルコールを摂取すると偏差値が20上がる酔拳系プロマネの千歳です。

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では、自己紹介から始めていきましょう。

着席!

 

着席!

 

着席!

 

ブラックさん来ないけど、時間なので始めましょうか。それでは本日はどうぞよろしくお願いします。 今日は「炎上をなくせ!」というテーマでざっくばらんに語り合いたいです。 「炎上」というと人によってイメージが違うかもしれませんが、ここではかなり広く捉えて、「精神的に通常のプロジェクトより疲れて、みんなが嫌な思いをしたプロジェクト」くらいのイメージで進めさせてください。 では、まずは皆さん簡単に自己紹介しましょうか。

僕は大手Webインタグレーター、Webサービス会社を経て独立。 今はWebサービスの立ち上げや運営のお手伝いをさせていただきながら、プロジェクトマネージャーやWebディレクターの育成を行うcoach4pmというサービスを運営しています。

 

こんばんは、きんぴらです。2000年からLAMP系システム開発ベンチャーLinuxサーバ構築、管理やシステム開発のマネージャーからスタート。ディレクターの部署を立ち上げ、数年後にその会社の代表になりました。 組織のマネジメントを行いながら、自分もプレイヤーとしてプロジェクトマネージャー、Webディレクター的なところから営業、コンサルティングなどを2012年くらいまでやっていました。 2013年ごろからはプレイヤーとしての仕事はほとんどやらなくなり、今は会社経営とWebディレクターを育てる仕事に従事しています。

 

ちゃっす!私は当時全盛期だったガラケー公式サイトの立ち上げや運用からキャリアをスタートしています。 その後、Webサービスを運営する会社に転職して新規事業の立ち上げメンバーを経験。 フリーになろう!と一念発起して2012年に独立して、Webディレクターとしてお仕事させてもらってます。 私はディレクターのなかでもプランナー寄り。 ときどき要件おもらし系(TωT)ジョボジョボー

 

どもー。僕は大学を卒業後、制作会社で2年半勤務したのちにフリーランスとして独立しました。 元々は紙媒体の案件が多くて、アートディレクションから制作までトータルやらせていただいていました。 最近はWebの案件もだいぶ増えてきましたが、四苦八苦しています(笑)

 

みなさん色んな経験されてそうですね。 きっとその中には炎上案件も・・・。

 

ばんはー。

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

すいません息子が階段で転んで怪我しちゃって。 自己紹介だけして離脱しますスンマセンm(_ _)m チャットワーク覗きながら隙をみてコメントします! 僕は大学を卒業したあと、リクルートに入社して編集業務をやっていたんですが、独立願望があって26歳で友達と会社を作りました。 最初はインテリア用品の通販をやっていたのですが、徐々に受託案件の売上比率が増えていって今ではほぼ受託案件で成り立っています。 ってことでバイバイ!

 

ブラックさん、離脱前に炎上ネタひとつだけください!

 

そういう無茶振りが炎上を生むんですよ。

 

う・・・。

 

   

突然の納期圧縮、Webを知らないデザイナー…みんなの炎上体験

 

ではブラックさんはそっとしておいて、まずはおもらしさん、何か炎上体験ありますか?

 

紙媒体系の人とWeb案件を一緒にやると、プチ炎上みたいな状況に陥ることがあります。 ちょうど今、そんな案件をやってます(笑)

 

アサインミスと言ってしまえばそれまでなんでしょうけど、確かにそういう人と組む場合は依頼側できちんと制作ディレクションしてあげないとしんどいですよね。 紙の場合は「デザイン⇒入稿⇒納品」という工程だけど、Webの場合は「デザイン⇒コーディング⇒システム⇒運用改善」という工程になるので運用改善フェーズまで含めてデザインが考えられているかどうかってすごく重要ですもんね。

 

ですね、オペレーションを考慮するか否かでデザインは全然変わってきますからね。

 

ウワァと思ったのはテンプレートとかCSSとかって概念が紙媒体のデザイナーにはないこと ・・ 意味上の段階わけ(title/h1/h2/pみたいな)とかを考えずに、絵を描くように自由にページごとに作るんだもん。 紙、Web問題はいまだに結構根深いと思う。

 

運営の設計までちゃんと見据えて実作業者に要件を伝えられるかっていうのはすごく大事よね。 もちろん実作業者のスキルの問題はあるのでアサインのところで防がなければいけない問題ではあるんでしょうけど、現実問題そういうアサインになってしまうことはあるので、そのときにディレクターの腕が試されるよね。

 

ビール2本目~(^○^)

 

早っ。 とりあえずパソコンにこぼすのだけは死守してくださいよ・・・。

 

うぃす(@_@;) 買ってまだ半年も経ってないmacbookだから死守!

 

おもらしさんがビール2本目いったところで、胸熱さんはどうですか? 何か炎上案件と聞いてぱっと思い浮かぶ体験あります?

 

僕は円満なので、特に問題はありません。

というのは冗談で、よくあるのはスケジュールが無理やり縮まってしまうような案件でしょうか。制作に20営業日かかりますということでスタートしたのに、途中から「やっぱり10営業日で納品していただけませんか><」という無茶な相談がきます。当然最初は無理です!ということで調整をお願いするのですが、クライアントの担当者の上司のさらに上司くらいのレイヤーでの決定事項だとかで、なんとかしてほしいと。 結局、毎日ほぼ徹夜で進めることになるのですが、作業中にも修正依頼がメール、電話で色々な担当者からどんどん個別に来てカオスになっちゃって。さらに、グロッキーな中で納期焦らされてる中だと、どうしてもチェックの時間がとれなくなってしまい、修正漏れで怒られたり・・・。代理店案件なので、そこは代理店側で仕切ってよという感じではありますが。

 

それって、代理店が本来そこを担うんじゃないの? 胸熱さんとクライアントが直接やるのはどうして?

 

うん、代理店が機能してなそうな気が・・・。

 

筋としてはそうなのかもしれませんね。 ただ現実問題として、代理店側の担当者も若手で仕切りきれないというケースは多いと思います。そういうときはやっぱり僕が直接進めちゃったりしますね~。

 

   

炎上の火種は結局ディレクターの自爆?!

クライアント→代理店→フリーランスの構造問題ですね。 あとはディレクションというところで、クライアント、代理店、作業者の枠組みを取って考えると、結局はディレクターが火種になっているケースが多いんだよね。

 

同感です。 企画〜設計〜提案して、デザインと開発に落としていく(+検収)がディレクターの責任領域なので、ディレクターの立場としては「泣かされる」というより「自爆」なんですよね。

 

エンドカスタマーと作業者との間に入るポジションの人の勉強不足は、大きな問題ですよね。 前述の記事に書いた、ディレクションの責任 というところにもつながる部分です。

 

わたしのPM&Dの過去の反省事例としても、制作会社や開発会社に甘えすぎていたというのはすごくあるなー。 勉強不足でおもらししちゃった(TωT)ジョボジョボー

 

そうですね、そこの問題も大きいと思います。

 

   

クライアント社内のコンセンサスが取れていない問題

あとは、クライアント側の担当者と上司でコミュニケーションがとれておらず、ただ上司に従うしかない状況というのが一番の原因な気がします。

 

依頼側の担当者とその上司のコミュニケーション問題、これは大きいですね。

 

ウンウン。担当者が社内の合意形成できない。 担当者と上司の距離が結構あるケースは多いと思います。 「社内」=「身内」という意識がそんなになくて、「外注先」=「下請け業者」=「立場が下」=「言いやすい」という意識が感じられる。 担当者が「社内でコンセンサスをとる」というのができていないんですよ。 「いいですよー」と言われるからそのまま進んだ挙句、形になって責任者に見せてひっくり返されるという。 担当者は上司に何も言えないので、外注先がかぶされるという。

 

依頼側の担当者が社内での合意が形成できないというのは、炎上原因の上位にランクインすると思います。 この中では一番ベテランのきんぴらさん、こういう臭いを感じたらどうするんですか?

 

担当者ではなく社内の決裁権ある人か、せめてその1段下くらいの人がきちんとコミュニケーション取れる人かどうかというのは最初から意識してヒアリングしますね。 で、「あ、臭うな」と思ったら、最初の段階で断ります。

 

臭ったら断ることができるかどうか。 こういってしまうと元も子もないけど、これこそが炎上対策のベストプラクティスですね。

  

  

独立・創業したては臭う案件でも前のめりに受けてしまいがち問題

ここで制作会社側の社長とか営業とかディレクターあたりがスケベ根性でやろうとすると、現場炎上の火種発生ですね。

 

若いうちは「がんばります!」みたいな感じで請けちゃうんですよねー。 請けて燃やしてました。反省。

 

ウンウン。

 

それを制作側のスケベ根性といって、失敗した場合は自分たちを省みる必要ありですね。 ただ、もちろん根性でやるべきときもあるので、どっちがいいかは決定した人の責任ですよ。 仮に、制作会社の社長がやるという判断をしたのなら、その人が最後の帳尻を合わせるべきで、現場に押し付けちゃいけない。

 

そうかぁ。 フリーランスだと1人で請けて、1人で燃やして泣いて、1人でなんとかして、、、っていうことなので、自分を省みろってことですね。

 

僕も同じで、何度も泣きそうになりました(笑) まぁでも、そういう体験があったからこそ今があるんですけど。

 

ただ今戻りましたブラックですよっと。 流れを読まずに割って入っちゃうかもしれませんが、炎上するクライアントは、線引きを嫌がりますよね。明確に線を引こうとすると、何とかしてぼやかそうとしてくる。

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

ブラックな人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

戻りました(笑)

 

線引き=面倒くさい的な依頼者は多いよね。

 

単にめんどくさいというよりはもっと根深いものを感じる。 なし崩し的にっていうやつ。 良いようにいえばフット・イン・ザ・ドア。 悪く言えば「何にもしないから!トイレ貸して!」

 

「線引き=面倒くさい」=「立場(力)の弱い方が負ける」ですよ。 そのリスクを合理的にどこまで考えるかです。

 

意図的にやってるんじゃないかと思ってしまうケースはありますね。 意図的というか、本人は意識してないかもしれないけど、自分の逃げ道を確保するために線引きしないほうがいいっていうのを経験的に学んでる感じ。

 

ブラックさんは、ブラックなだけに肌感覚ありそうですもんね(笑) ブラックさんはそういう依頼者に出会ったらどうしていたんですか?

 

肌感覚はあります!笑 あ、この単語出た、臭う!みたいな。 創業当初は、臭う案件も気にせず取りにいってました。

 

気合いでやるしかないんじゃ!!ってやつですね。 ブラックだな~笑

 

そですw この山を登れば楽になるんじゃ!きっと!!っていう。 最初はとにかく、月160時間の従業員のリソースを埋めることが最優先だったですから。 時給1000円以上ならとにかく取ってリソースを埋めに行く。

 

会社経営的にはせめてマイナスにしないっていう最初の戦略だよね。 たまごの経営戦略。

 

仕事がある(仕事してる)っていう安心感もありますよね。 フリーランスの場合も、食べるためにちょっと臭うけど受注してしまうケースは多かったです。 独立して売上が月10万円を切るようなこともあったので、その頃は取りあえず何でも来い!って感じでしたよ。 僕は大きな制作会社出身というわけでもないし、有名な賞を取った経験があるわけでもない。 だから自分の価値を売ることが1番の課題だったので、クライアントを選ぶなんておこがましいと思っていた。

 

わたしも最初はそうでしたー。 精神的に若かったのもあったし、勉強させていただきます的な(関西弁じゃない意味の)スタンスでがんばります!みたいな。

 

みんなそういう時代を乗り越えてきて、臭うものを未然に防ぐようになってきているんですね。

 

今は臭ったらすぐに線引きして、工数バッファのために価格も値上げという交渉をします。

 

基準は「対価-リソース(時間・費用)>=0」という計算式だと思うんです。 そして、これに短期的、長期的という概念を入れるとスッキリする。 恩、人間関係、今後の仕事、ランニング売上、経験などの長期的利益と、業務報酬という短期的利益をしっかり分けて考えるのがいいと思ってる。

 

そして、リソースは状況によって大きく変動してしまうので、リスクを考慮して判断ができるかどうかというのがポイントですね。

 

  

納期と費用に余裕があっても炎上は起こるもの?

ところで、「納期」と「費用」に余裕あれば炎上も起きないんですかね? それがあってもコミュニケーションの問題など他にも大きいファクターがあるのかしら?

 

コミュニケーションの要素はとても大きいと思います。 納期や予算に最初は余裕があったとしても、スコープクリープを防げないと結局炎上になる。 スコープクリープを防ぐのはコミュニケーションなのかなと。

 

できるだけ深度のコミュニケーションでしょうかね

 

スコープクリープというのは、やりながら「あれもこれも!」とか、次の工程に進んでいるのに前の工程まで戻るような変更が発生するとか、そういうイメージであってる?

 

前の工程まで戻るようなものだと意外と防げるんですけど、そこまでいかないようなのが怖いなと。 単体で見ると担当者レベルでさくっと要求にこたえられちゃうけど、チリツモで意外と工数を圧迫して、気づいたらスケジュール遅れてるとか。

 

ありますね~。 あと、「見てみないとわからない」「見てみたら違った」というのもよくあります。 ワイヤーで詰めたのに、デザインにしてみたら・・・コーディングしてみたら・・・という。 レイアウトが違うよ!とかでなく、「イメージと違った」 「見てみないとわからない」問題は結構あったりします。 画像の話とかじゃなくてそれデータベースからちゃうやんけ!みたいな

 

泣くw

 

見てみないとわからないってずるい言葉ですよね。 でもこれは本質的な課題です。 どんな案件でもこれが起きてしまうと結局利益を生まない。

 

この「見てみないとわからない」問題はみなさんどうやって立ち向かってるんですか?

 

僕は修正回数を制限することにしています。 スケジュールこれなので、修正回数は2回しかとれません、仮にここで決まらなかったら、スケジュールと費用がこう変わりますと先に説明しておく。そうすると万が一「見てみたら違った」となった際でも予算とスケジュールの相談がしやすい。

 

原則は確かに修正回数で防げそうな気もするんですが、そうもいかないケースが多いような・・・。

 

要件を満たしているのに依頼側の都合(や担当者の性格・・・w)で修正が膨らんでしまった場合と、作業側の力量不足で修正回数が膨らんでしまう場合の線引きが難しいよね。

 

うん、修正回数っていうのは確かにわかりやすいんだけど、依頼側の心情としては「希望通りになってないのに修正回数とか意味わかんない。Why Japanese People!!!」ってなりません?

 

そうそう、「修正」と「仕様変更」の線引きというんですかね。 こちらは変更なのでカウントします、こちらは修正なのでカウントしませんという会話ができればいいんだけど、なかなか難しい。

 

やっぱり実務では「変更」ではなく「修正」になってしまうことがほとんどな気がするなぁ。

 

うん、これが受託会社(立場の弱い)のジレンマ。

 

ただ、あらかじめ決めた修正回数を超えたときに追加費用をいただくかどうかは別にして、制限する意味は充分あるとは思います。 制限することで依頼側が最初の確認に本気になる。 納期間際でようやく本気で確認し出すようだと、絶対に大変なことになりますから。

 

ウンウン

 

ウンウン

 

ウンウン

 

ウンウン

 

  

炎上は絶対に避けるべき害悪なのか、あるいは成長のきっかけか

ここまで話してきて、みんな炎上を乗り越えてきての今のポジションがあるんだなというのがよくわかりました。 今日のテーマは「炎上をなくせ!」ですが、「炎上で人が育つ」というのもひとつの側面なのかもしれませんね。 僕は炎上なんてさせたくないし、世の中から炎上案件をなくしたいと心から思ってるけど、でも自分を育ててくれたのは炎上案件だし、、、。 皆さんは、過去の炎上案件をやってよかったと思いますか? それとも、避けられるものなら避けたかったですか?

 

僕は良かったですよ。 コレやってなかったら今の僕はないです。 多分、仕事無くなって就職してましたね。

 

わたしも、少なくとも自分にとってはやってよかったです。 会社員時代は最終判断も自分じゃないし、どっか人のせいという意識があった(お恥ずかしいですが)。 自分で決めて自分でやって、お金をいただくという意味がよくわかった。 それこそ初歩的ですが「できないことは線を引く/断る」ということが身を持ってよくわかった。 いままで甘かったなあと。

 

ですよね。僕も、炎上して学んでこなかったら、今の自分はないと思います。

 

僕は最初の師匠からは「デザイナーは一回精神的にやられて倒れて、そこからがスタート」的なの言われました。 今すごく分かります。 完全に炎上しないという保証があればいいですけど、もしあったとき、対応策を下の子に伝えるにもやっぱり炎上経験が必要だと思います。 「このケースはこう炎上する臭いがするから、こう伏線張っておこう」みたいなのも出来ますよね。

 

僕は新人教育として、こっそりプチ炎上を経験させるというのは意図的にやっています。

 

子育てと近い感じですね。 資質の問題などもあって、立ち直れないケースが出てきてしまうこともありそうだけど・・・。 フリーランスで全く一人で目の前で燃えている火を見て、当然ながら誰も助けてくれる人が居なくて、という状態で、多少やけどしても死なねえなと思えるか、もう火は怖い!と思ってしまうかどうか。

 

僕もよく考えるんですが、炎上体験は一つの成功ルートだなって思います。 若くて自分で稼ぎたい!というような子たちに何か授業をもつとしたら、「まずはなんでもやる、自分の時間をとにかく仕事で埋めろ」って言います。

 

そのルートは、それを戦略として理解した上でやるならいいと思うけど、他の人に迷惑をかけるリスクもありますから注意が必要だよね。 キャリアのスタートアップの一手として、炎上体験が必要というのは理にかなっているとは思いますが。

 

炎上はしたくないけど、成長するためには炎上しなきゃいけない。 だとするなら、育成という意味では擬似炎上研修というのはアリなのかもしれないですね。

 

それ、coach4pmでやりたい!

 

   

まとめ

 

ということで話は尽きませんが、本日は時間がきてしまいましたね。 簡単にまとめますと、

  • 結局、火種を作ってるのはディレクター。
  • ディレクター的なポジションに立つ際は、その責任をちゃんと考えよう 依頼側が社内で合意形成できない臭いは危険。ここで断れるかどうかが炎上を防ぐ砦
  • チーム全体で深度のコミュニケーションをとることが、スコープクリープを防ぐ
  • 依頼側の確認に初期の段階から本気になってもらうことが重要。そのためには、修正回数の制限などは効果的。
  • 炎上経験はキャリアとしてはとても強い。疑似炎上ワークショップなんかは有効そう

という感じでしょうか。

それでは最後にみなさん、悩めるプロジェクトマネージャー、Webディレクターに向けて一言お願いします!

 

大規模化、高度化しているWeb案件でプロマネやディレクターがどんな価値を提供できるか。 PM/Dは炎上の火消し屋ではなく、お客様に最高の音を届けるオーケストラの指揮者/新大陸を目指す船長でなければならない。 そのための努力と時間は相当なものだと思いますが、それ相応のやりがい・報酬もある職種だと思っています! サービスをつくる喜び、お客様の笑顔をみる喜び、チームで行うという達成感、そのキーになれることにやりがいを感じる人が、PM/Dとして相応しいかなと。

 

板挟みのPM/Dは、孤独になりがち。 でもだいじょうぶ。おもらしを恐れないで! クライアントや制作会社・開発チームのおにいさんおねえさんもみんな仲間だよ! みんなでぷろじぇくとをたのしもうね!^^ (TωT)ジョボジョボー

 

知識と経験どっちも大事。 若い子は頭でっかちにならずとにかく経験を! ベテランは経験だけに頼らず新しい知識の吸収を!

 

生命は炎上だよ。 僕たちは遺伝子の乗り物だよ。

 

coach4pmでは、今後もプロジェクトを幸せにするための意見交換を積極的にやっていきたいと思っています! 熱い想いを持った方がいましたら、是非お気軽にご連絡ください^^

coach4pm@riso-labo.com

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