WBSはプロジェクト管理の基本にして極意!PJを成功に導くWBS作成3つのポイントと注意点
こんにちは、編集部のジェシカです。
今回は、既にご存知の方も多いと思いますが、改めてWBSについておさらいしてみます。
プロジェクトになくてはならないWBS。
きちんと作成・運用をしてプロジェクト炎上ゼロ「0」を目指しましょう!
WBSとは?
WBS(ダブリュービーエス)は、 Work Breakdown Structure(ワークブレークダウンストラクチャー) の略で、プロジェクトで発生するタスクを一覧化したものを指し、担当者アサインやスケジューリングの 基礎になるものです。
WBSはタスクの最小単位までブレイクダウンしたものと思われがちですが、PMBOKで定義されるWBSはワーク パッケージの一覧とされていて粒度が粗いものです。
PMBOKではワークパッケージをさらに「アクティビティ」に分解しますが、これが世間一般に言われるWBSです。
WBSはプロジェクトの肝といっても過言ではありません。
タスクがきちんと洗い出されていなければ見積もりやスケジューリング、担当者アサインや進捗管理が適切 にできないからです。これでは、プロジェクトは円滑に進行できません。
タスクを雑に洗い出したWBSを元に作成された見積もりやスケジュールは確実にブレが生じます。
そんなWBSを見たときは、プロジェクトが炎上している未来が目に浮かんで背筋が寒くなります…(泣)
PMBOKではWBSの作成は計画プロセスの「プロジェクト・スコープ・マネジメント」に規定されていて、 「WBS =スコープを明確にする」役割が強いものです。
「何をやるか」を定義するのと同時に「何をやらないか」を明確にしてプロジェクトオーナーの期待値を コントロールする役割があり、単なるスケジュール表ではないということを理解しておきましょう。
▼やらないことを定義する重要性についてはこちらの記事もオススメです▼
WBSの作り方と注意点
まず、WBSを作成する時におすすめのツールが、マインドマップです。
WBSは、大きなタスクの塊で全体像をとらえて、そこから作業工数見積もりができるレベルまでタスク分解 していくことが重要です。
マインドマップを利用すると、タスク分解が視覚的に把握でき整理しやすくなります。
(参考) マインドマップで「やりたいこと」を芋づる式に洗い出そう!
マインドマップとは、頭の中で考えていることを視覚化できるようにした思考ツールです。
いろんな種類の マインドマップアプリがあるので、使いやすいものを選んでみましょう。
(参考)
マインドマップで発生するタスクを洗いざらい書き出してエクセルで一覧にすれば、WBSが完成です。
あとは、各タスクにかかる工数や担当者を記載すればOK。
工数が洗い出せれば見積もりやスケジューリング が結果としてアウトプットされます。
WBSはプロマネやディレクターが中心となって作成・運用をしますが、プロマネが1人で進めるのではなく、 プロジェクトメンバー全員とディスカッションをしながら作成しましょう。
タスクの展開は、各人の経験やスキルに依存するので、専門の担当者を交えて意見を吸い上げることでより 精度の高い洗い出しができます。
私がWBSを作るときには、以下のような点を意識しています。
・タスクをチケットにできる粒度まで掘り下げる
チケットとは、プロジェクト管理ツール(RedmineやBacklog)で必要な作業を管理する単位です。
チケットに登録することを想定しながら作成すれば、「あれも必要だった」と思いがけないタスクを発見 できるかもしれません。
この方法でWBSを作成すると、WBS上のタスクをプロジェクト管理ツールへそのまま起票でき、プロジェクト 立ち上げ時の無駄な工数を減らすこともできます。
・承認フローも1つのタスクとして入れる
これはさすがにチケット化しづらいのですが…
WBS上では、作成→確認→修正→再確認→修正→再々確認→凍結という流れをある程度可視化しておきましょう。
承認フェーズで想定外の時間がかかって製造工程がパツパツになり、メンバーが泣きを見る事態に陥る ケースが多々あります。
・依頼者(上司やクライアント)に提出する前にプロジェクトメンバーと合意をとる
WBSを提出する前には、必ず各担当に最終合意をとりましょう。
確認者が多いほうがミスに気づけますし、 後から「こんな工数でできるわけない」など言われなくて済みます。
WBS運用時の注意点
WBSは作成してからが本当のスタートです。
プロジェクトメンバーとは1日に1度はコミュニケーションをとって進捗状況を確認しましょう。
当然ですが、1日の遅れを取り戻すには+1日、3日遅れれば+3日必要になります。
遅延やリスクにいかに早く気づき、リカバリー策を立てられるかがプロマネの腕の見せどころ。
人によって「できている」「できていない」のジャッジポイントは違います。
状況に応じてWBSを更新し、調整・共有するようにしましょう。
さいごに
WBSをイチからつくるのは大変労力がかかるものです。
できれば、プロジェクトのタイプに合った過去のWBSを参考にし、改良していくことをおすすめします。
プロジェクトタイプに合ったWBS標準があれば、安定したプロジェクト運用がしやすくなるでしょう。
▼プロマネの基礎を押さえるならこちらのコラムがおすすめです▼